生活協同組合パルシステム埼玉 2022年度方針
理念「心豊かなくらしと共生の社会を創ります」
ミッション「互いに支え合って安心してくらせる埼玉をつくります」
【経営】
(1)今後の感染状況を見極めながら事業・活動を推進するとともに、コロナ禍によりニーズが高まった生協事業の利用定着に取り組み、総事業高(*1)319億円、経常剰余率(*2)1.41%をめざし経営基盤の安定に努めます。
(2)県内事業統合(*3)から10年が経過しました。コロナ禍により昨年度見合わせた感謝企画を行います。
(3)職種や職位別等、多様な方法による研修の実施や個人が意欲的に学ぶ環境を整え、次世代を担う職員の育成をすすめます。
(4)休暇取得促進、健康増進・メンタルヘルスに対する取り組みや日常業務の更なるオンライン化による業務効率の向上を図り、安心して働きやすい職場環境を整備します。
(5)組織の事業伸長に対応できる施設容量の確保や供給効率、業務品質の向上につなげるため、配送拠点の移転及び設置(土地取得又は賃借)をすすめます。
(6)パルシステムの認知度向上のため、紙媒体とデジタル広報を連動させ、各種メディアや情報ツールを積極的に活用しながら社会への発信を強化します。
(7)コンプライアンスと機密・個人情報の管理体制強化を目的に、教育も含めた適正かつ効率的な内部統制システム(*4)の向上を図ります。また、感染症・自然災害等のリスク管理を重点対策とした危機管理を強化します。
【事業】
(1)WEB加入や友達紹介加入などをすすめ、新規組合員拡大24,000名をめざすとともに、利用をお休みしている組合員へ利便性や活動の取り組みを案内し、利用再開につなげます。
(2)CO・OP共済は、商品の特徴や制度改正の広報を強化するとともに、健康づくりや長期契約者への感謝企画を実施し、たすけあいの輪を広げ、保有契約件数66,000件をめざします。
(3)供給事業の安定に向け、組合直接雇用の配達割合向上やステーション供給(*5)の拡充、パルシステムグループ連携によるデジタル推進に取り組みます。
(4)パルシステム埼玉が独自に行うサービス事業(*6)や独自商品の取り組みを強化し、組合員のくらしサポートや地産地消・交流・震災復興商品の利用普及につなげます。
(5)全従業員に対して安全運転の意識向上に取り組みます。配送部門では、車両に装着しているドライブレコーダーを通信型に切り換え、即時的な指導や啓発を図り、事故削減に努めます。
【組織(活動)】
(1)組合の理念・ミッション・ビジョン・事業活動方針及びパルシステムグループの方針に基づき、総合的な視点から個別政策(産直交流政策や福祉政策など)の見直しを行います。
(2)署名や各種ボランティアなど生協が呼びかける活動への組合員の参加を広げます。さらに、自宅でできる活動やオンラインで広がる活動、少人数でできる活動など、新たな活動への関わり方を構築し、より多くの組合員の学びと協同の場を拡充します。
(3)現行の組合員活動を一層発展させ、地域に根差した組合員の主体的な活動を促進しながら、活動の認知度向上を図り時代に応じた多様な組合員の参加を推進します。
(4)西部エリアでの地域活動施設は、社会情勢や組合員ニーズの変化を鑑み再検討します。
2030年ビジョン【食・農】
持続可能な食の安全と安心を守りながら、豊かな食文化と食生活を広げます。
(1)パルシステムグループの統一運動「もっといい明日へ 超えてく(*7)」をすすめ、商品の価値を知る機会や利用普及に取り組みます。また、食育活動をつうじて「旬を楽しむ」や「食文化を学ぶ」などの体験から、食の大切さへの理解を深めます。
(2)食の安全や環境に及ぼす影響が懸念される遺伝子組み換えやゲノム編集技術応用食品に関する表示の重要性を適切に伝えていきます。
(3)商品学習会や商品展示会をつうじて、作り手と幅広い世代の組合員が参加できる学びと交流の場をつくります。
(4)「コア・フード」「エコ・チャレンジ」(*8)の取り組みや産直商品への理解を広げるため、公開確認会や産直連続講座などを通して、生産者と組合員が支え合う関係づくりと相互理解につなげます。
2030年ビジョン【環境】
一人ひとりが、地球環境に配慮した「きりかえる」行動をくらしの中に広げます。
(1)気候変動に対する理解を深め、事業所や家庭でできるCO2排出抑制などの地球温暖化防止行動を推進します。また、脱炭素社会に向けて環境に優しい配送車両の調査研究をすすめます。
(2)プラ削減マーク(*9)商品や石けんなどの環境配慮商品を利用促進するとともに、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の協力を呼びかけ、エコライフを推進します。
(3)埼玉産直協議会『農・彩・土』(*10)の活動を通して、環境保全型農業や地産地消を推進します。耕作放棄地を活用した神川町の大豆トラスト運動や、地域の里山保全活動への参加により、人と自然の共生をすすめ、豊かな自然や地域づくりの理解を深めます。
2030年ビジョン【福祉・くらし】
助け合いの輪で、誰もがいきいきと安心して暮らせる地域社会づくりを広げます。
(1)認知症予防や健康寿命を延ばす学習会をつうじて、高齢者の社会参加の機会を増やすとともに、親子ふれあいサロンの開催など孤立しやすい子育て層の交流、つどいの場の提供を通して、多世代の心豊かなくらしを応援します。
(2)今後も増加が懸念される消費者被害の防止、ケアラー(介護者等)の現状や支援の必要性を広めるための情報提供や学習会を行います。
(3)社会的諸課題の解決に向けて、フードバンク支援やフードドライブ運動の強化、地域の見守り活動、子どもの未来アクション(*11)(子どもの貧困問題)などに取り組みます。
(4)「パルシステム給付型奨学金(*12)」の募金を引き続き組合員に呼びかけ、学びの意欲を持ちながらも困窮する学生を県内の伴走支援協力団体と一緒に支援します。
2030年ビジョン【平 和】
多様性を認め合い、争いや格差のない命が大切にされる社会を広げます。
(1)平和活動週間(ピースウィーク)の企画などを通して、被ばくや戦争の体験を伝え、平和の尊さを次世代へ継承していきます。また憲法について学ぶ機会をつくります。
(2)戦争や貧しさの中に暮らす子どもと女性を支援するための「平和募金」活動を通して、国際支援を行っているNGOやNPOと協力しながら、差別や貧困、飢餓のない社会の実現に貢献します。
(3)多様性を認め合い、誰一人取り残さない社会に向けて、ジェンダーフリー、障がい者自立支援、人権問題などの諸課題に関して学ぶ機会をつくります。
(4)原発事故被災者応援金(*13)への呼びかけやスタディツアーを通して、東日本大震災の復興支援と風化防止に取り組みます。
【用語解説】
(*1)総事業高
供給高(組合員にお届けする全商品の総額)とその他事業収入(パルシステム手数料収入、共済受託
収入等)を合計した総額。
(*2)経常剰余率
1年間の経営活動によって得られた経常剰余金の総事業高に占める率。
(*3)県内事業統合
2011年に行われた旧ドゥコープとユーアイコープのパルシステム事業部門の事業統合。
(*4)内部統制システム
組合の基本理念の実現や社会的責任を果たすことを目的に、法令・定款等の遵守やその他業務の適正性を確保するための業務手続き、基準等を整備する体制。
(*5)ステーション供給
組合員自身が曜日や時間を選び、配送センターで商品を受け取るサービス。
(*6)サービス事業
エアコン(ハウス)クリーニング、不用品整理、葬祭事業、住宅事業等、パルシステムの斡旋(紹介)事業。
(*7)もっといい明日へ 超えてく
「ほんもの実感!」くらしづくりアクションを継承し、その先へ向かう新たなグループ統一運動。「自分らしく選ぼう、明日のために」「出会いに行こう、物語を見つけよう」「声にしていこう、世界を変えていこう」を行動テーマに展開。
(*8)コア・フード/エコ・チャレンジ
パルシステム独自の生産基準。コア・フードは有機JAS認証(化学合成農薬、化学肥料を使わない)を取得した農産物。エコ・チャレンジは、化学合成農薬、化学肥料を各都道府県で定められた慣行栽培基準の1/2以下に削減。加えてパルシステムの「削減目標農薬」の不使用を原則。青果は、除草剤、土壌くん蒸剤不使用。
(*9)プラ削減マーク
組合員の商品選択の一助となるよう容器包装や付属(ストローなど)のプラスチック削減に取り組んだ商品に表示。
(*10)埼玉産直協議会『農・彩・土』
産直産地の沃土会と南埼玉産直ネットワーク、パルシステム連合会、パルシステム埼玉で構成。県内の農業と環境を守ることを目的に農業体験や交流事業を中心に活動。
(*11)子どもの未来アクション
貧困をはじめとする子どもの問題を社会の問題としてとらえ、学び、考えることから、共感の輪を広げていく運動。
(*12)パルシステム給付型奨学金
学びの意欲を持ちながら家庭環境や経済的理由等から進学が困難な若者に対して、組合員からの募金で包括的に支援する学費助成制度。
(*13)原発事故被災者応援金
正式名称は東京電力福島第一原子力発電所事故被災者応援金。事故後の公的支援弱体化への対応として、組合員から応援金を集め、今も不安を抱えたまま生活する被災者への支援に活用することを目的としたパルシステムの制度。