「ケアラーの支援は人生の支援」を開催

 11月1日(月)、パルシステム埼玉はオンライン学習会「ケアラーの支援は人生の支援」を開催しました。講師に日本ケアラー連盟代表理事の堀越栄子さんを迎え、59人が参加しました。

 

 

 最近よく聞くようになった「ケアラー」という言葉。心や体に不調があり、「介護」「看病」「療育」「世話」「気づかい」などの必要な家族や近親者等を無償でケアする人たちのことを呼びます。介護というと「女性一人で家族を介護する」というイメージを強くもたれがちですが、現在は介護する側もされる側も、人数も状況も多様化しているのがわかってきました。さまざまな年齢のケアラーがさまざまな年齢の人を介護していますが、ケアラー自身のことは後回しで精神的にも肉体的にも追い詰められている場合が多く、支援を必要としています。そんな中、埼玉県では「埼玉県ケアラー支援条例」を全国で初めて制定し、行政の支援も始まっています。
 そして、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話などを行なっている18歳未満の子どもを「ヤングケアラー」と呼びます。ヤングケアラーはケアラーである前に、成長過程の子どもであり、更に特別な配慮が必要です。しかし、子ども自身もヤングケアラーである自覚がなかったり、大人の影に隠れて見えにくい存在という問題もあります。我々大人達がヤングケアラーを早期に発見・ニーズを把握し、他の子どもと同じようにライフチャンスを持ち、心身の健やかな成長が図られるように支援が必要です。国や市町村の法整備と並行し、個人の気づきから支援は始まります。まずは、ケアラーやヤングケアラーの実態を知り、存在に気づくことが出発点です。
 ケアラーやヤングケアラーの実態を多くのデータを示しお話くださった本講座。講座の目的として堀越さんが掲げた「ケアをすることが問題なのではなく、大事な人をケアするあなた自身も大事な人である」という言葉がとても印象に残りました。

 

 

 パルシステム埼玉も2021年事業活動方針にケアラー支援への取り組みを掲げています。埼玉県の「ケアラー支援宣言」も賛同し、「私たちは、仕事と介護の両立支援、広報・啓発活動、研修会等の開催、その他、趣旨にふさわしい取組の実施でケアラー・ヤングケアラーを支援します。」と宣言しています。
 今後も地域に根ざした生協として、何ができるかを常に考え支援を続けていきます。

 

埼玉県 ケアラー支援宣言
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0609/chiikihoukatukea/carer-sengen.html

 

<参加者の感想(一部抜粋)>
・最近、ヤングケアラーという言葉を耳にすることが多くなり、参加させていただきました。想像していた以上にケアラーという立場は大変で、当事者だけでは解決できない問題を幾重にも何年にもわたって抱えるという状況に胸が痛くなりました。ケアをすることは誰にでも起こりうることだと思います。社会で問題を理解する努力をし、支援が届くことを望みます。本日は貴重な話をありがとうございました。
・ケアラーの実態が詳細に分かりとても学びが深かったです。参加して良かったです。ヤングケアラーの精神的・肉体的苦痛を学びました。学校や自治体の支援がもっと広まることを心から願います。国も支援対策に動いているので少し希望が見えました。

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