「がん患者や家族の気持ちに寄り添いたい!」を開催
パルシステム埼玉は10月11日(月)、「がん患者や家族の気持ちに寄り添いたい!」を開催しました。講師にNPO法人支えあう会「α」副理事長 野田真由美さんを迎え、会場13名とオンライン25名が参加しました。
パルシステムグループでは、組合員の健康づくりや病気の予防・早期発見が大切と考え、その一環として「ピンクリボン運動」を進めています。今回は、乳がん経験者であり、がんに罹患された両親を支えてきた野田さんの経験をお話いただきました。
はじめに、ひらがなと漢字の「がん」と「癌」の違いなど、がんについての基本的な知識について教えていただきました。がんについて知る上で大切なことは、がんは決して珍しい病気ではなく、うつる病気ではないことや、多くのがんの原因は解明されていないこと、現在の治療方法など説明されました。
続いて、野田さんの体験談をお話頂きました。
乳がん検診をきっかけに早期のがんが見つかり、治療や家庭、仕事、医療費、なぜ自分なのかと、不安に押しつぶされそうな当時の心境をお話されました。治る保障のない中での治療方法の選択はとても辛く、難しいものでしたが、悩み抜いて納得した治療に後悔はなかったとお話します。
野田さんの治療が終わった矢先、お父様のがんが発覚しました。家族の間でも告知と治療方針で意見が割れましたが、本人の人生観を考え「告知しない」選択をされ、決めたからには徹底したそうです。
お父様の他界から17年後、今度はお母様のがんが見つかりました。この頃になると本人への告知も一般的になり告知をすることとなりました。在宅治療を選び、家族交代で介護できるようにし、介護ノートなど連絡を密にできるようにされました。
しかし、介護体制を整えた中でも、仕事や育児をしながらの介護は寝不足を招き、体力と気力も厳しく、介護の難しさを痛感したそうです。
当時を振り返り、告知をせず病院で小康状態を経て見送った父と、在宅での闘病で日中一人でいることの不安を訴え、衰弱していった母とどちらが良かったのかと考えたと野田さんはお話します。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響でこれまで以上に孤独感を感じる患者や家族が増えています。がんは本人も家族もつらく、「つらさ」を比べることはやめましょうと野田さんは語ります。また、「周りの人にお願いしたいこと」について、次のことを参加者によびかけました。
・治療には周囲の協力が不可欠。治療後も定期的な検査もあり、家族だけでなく、周囲の理解が大切です。
・不用意な慰めは気をつけ、そっとそばにいて話を「聴いて」あげましょう。
・「検診は?」の言葉は使わずに。この言葉で傷ついた患者さんも多く、不用意に使わない方がいいです。
・「なんでも」「いつでも」ではなく、具体的に言ってあげる方が親切です。
野田さんはこれらを踏まえ、「正しい知識」と「相談できる場を知る」ことを参加者に覚えてほしいと伝えました。がんについて知ったつもりにならず、正しい知識を身につけ、周りの人に教えてあげましょうと締めくくり、学習会は終了しました。
≪学習会で紹介されたホームページはこちら≫
■国立がん研究センター「がん情報サービス」
https://ganjoho.jp/public/index.html
■埼玉県ホームページ「がん医療」
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0705/gantaisaku/ganiryou.html
※この企画はパルシステム共済連たすけあい活動助成金を使用し開催されました。