事業活動方針

2025年度 事業活動方針

【経営】
(1) 急速に変化する社会環境や経営環境において、安定的な経営をめざすために、人材確保の強化を進め、総事業高(*1)327.8億円、経常剰余金(*2)3.8億円を達成します。また、持続的な事業・活動の推進に向けて、経営基盤の安定をはかる対応を進めます。
(2) パルシステムグループの職員交流や産地研修を通じて、次世代を担う職員の育成を推進します。また、理念やミッション、2030年ビジョンの実現に向けて、生協で働く意義や業務を通じて社会に貢献していることが実感できる取り組みを進めます。
(3) 労働災害防止対策や心とからだの健康づくりを促進して、職員が安心して働き続けられる職場環境をつくります。また、業務の改善と効率化をはかり、働く意欲の向上につなげます。
(4) 大宮センターの移設へ向けた準備を進めるとともに、他センターの修繕の実施や、将来に向けた改修計画等の検討を進めます。
(5) 各種広報媒体の特性を活かして事業活動や社会貢献活動の取り組みを発信し、生協への理解や共感の輪を広げます。
(6) ハラスメント防止や個人情報、情報セキュリティに関する教育と職場ヒアリングを実施し、適切な理解と意識向上に努めます。また、内部監査の充実等により、健全な経営のためのガバナンス体制を強化します。

【事業】
(1) インターネットを活用した広報及び組合員、行政や諸団体との連携により、新規組合員拡大26,200名を計画します。また、利便性のよいパルシステムアプリ、公式LINE等でのお知らせや商品案内を通じて、組合員の利用と定着につなげます。
(2) CO・OP共済は、イベントでの広報、組合員活動や他団体と連携し、商品の特徴や想いを伝える機会や保障相談の機会を増やし、保有件数72,500件をめざします。
(3) 業務効率改善に継続して取り組み、運営を安定させるとともに、業務全般の品質向上に努めます。また、将来を見据えた商品供給の維持に向け、配送効率化及び最適化に取り組みます。
(4) 組合員が選べる利用方法の認知を高めるため、注文サイトやアプリ、商品カタログの配付選択をわかりやすく広報するとともに、様々な情報発信を工夫します。またステーションパル(*3)は、新たな利用ニーズの確保に向け、広報強化と新拠点設置準備を進めます。
(5) 安全運転の意識と知識、技術を高める研修の実施や安全機器(バックモニター等)を活用し、人身事故ゼロ、物損事故の削減に取り組みます。また、運転マナーの向上やエコドライブを推進し、地域のくらしに配慮した運転を心掛けます。
(6) パルシステム埼玉が独自に扱う商品(震災復興・交流・地産地消商品)の意義を広め、産地やメーカーを応援します。また、サービス事業(葬祭・不用品整理等)(*4)の取り組みを広めて、利用向上につなげます。

【組織(活動)】
(1) より多くの組合員が気軽に参加できる運営や企画(SNSを活用した投稿企画、自宅で参加できる活動、企画運営サポーターの導入等)を検討し、幅広い年齢層やライフスタイルに合わせた活動の拡充をめざします。
(2) 自主自発の組合員活動の支援を継続するとともに、活動の認知度向上に向けた組合員活動説明会の開催や、SNS、ホームページを活用した案内を強化します。
(3) 持続可能な社会をめざし、埼玉県内における国際協同組合年(*5)関連の動きと連動し、協同組合の価値の再確認や現代社会で果たしている役割等に関する学習活動を行います。

【食・農】
2030年ビジョン:持続可能な食の安全と安心を守りながら、豊かな食文化と食生活を広げます。
(1)「 お米スイッチ」、「お魚食べよう」を中心とした利用促進に取り組み、生産者、メーカーを食べて支えるアクションを進め、「もっといい明日へ超えてく」(*6)の行動テーマにつなげていきます。
(2) 食・農にまつわる様々な課題について学び、安全安心な食への理解を深める機会をつくります。また、食の楽しさと大切さを実感できる食育活動に取り組み、豊かな食文化と食生活を広げます。
(3) コア・フード(*7)、エコ・チャレンジ(*8)の学習会を通じ、環境保全型・資源循環型農業への理解を深めます。また持続可能な畜産や水産についても学ぶ機会を作ります。
(4) 埼玉産直協議会『農・彩・土』(*9)と連携し、農業を体験する場を広げ、地産地消を進めます。また、パルシステムの産直の価値を広げるために、産地交流ボランティアを実験展開し、将来の制度化の可能性を検証します。
(5) 生産者、メーカーとの交流、商品学習や動画を活用した学びの機会を提供し、より多くの組合員にパルシステム商品の魅力を伝え相互理解と共感の輪を広げます。

【環境】
2030年ビジョン:一人ひとりが、地球環境に配慮した「きりかえる」行動をくらしの中に広げます。
(1) 脱炭素社会に向けて、事業所の温室効果ガスの削減に向けた調査研究を進めます。また、組合員のくらしでできる省エネ行動を広報するとともに、再生可能エネルギーや発電産地への理解を広げて、パルシステムでんき(*10)の普及に取り組みます。
(2) 循環型社会に向けて、環境に配慮した商品の利用普及とともに、リユース・リサイクルや食品ロス削減の取り組みへの参加など、くらしの中のサステナブルな行動を呼びかけます。
(3) 自然共生社会に向けて、耕作放棄地を活用した大豆トラスト運動や、里山保全活動、地域清掃などを案内して環境保全活動の取り組みを広げます。また、水環境の保全として、石けんの利用普及を進めます。

【福祉・くらし】
2030年ビジョン:助け合いの輪で、誰もがいきいきと安心して暮らせる地域社会づくりを広げます。
(1) 子育て層と若者を支援する多様な活動(親子ふれあいサロン、ママ・パパカフェ、パルシステム給付型奨学金制度(*11)、みんなのよみきかせ絵本企画、困窮家庭への支援活動等)を一層推進し、子どもと若者を応援する輪を広げます。
(2) 高齢世帯のさらなる増加を見据え、他団体と連携しながら、高齢者のくらしを応援する取り組み(健康づくり、ライフプランニング、認知症予防、消費者被害防止等)を推進します。
(3) 一人ひとりが大切にされる地域共生社会の実現に向けて、障がい者自立支援に取り組む団体と協力しながら、あらゆる人が安心してくらせる地域の諸課題への支援活動を推進します。
(4) パルシステムのみんなの居場所づくり(*12)の取り組みを進化させ、多様な人と人とがつながる活動や、生協とつながる活動を通じて、一人ひとりのくらしの課題を解決できる機会を増やします。

【平和】
2030年ビジョン:多様性を認め合い、争いや格差のない命が大切にされる社会を広げます。
(1) 被爆・戦後80年を迎え、次世代につなげる平和活動(ピースアクションin ヒロシマ、平和及び憲法学習会等)や核兵器の廃絶に向けた運動等を通じて、平和の大切さを広げる取り組みを推進します。
(2) 国際連帯と世界平和を願う活動を推進し、韓国プルンドゥレ生協との子ども交流や、国際協力(平和募金、ハンガー・フリー・ワールド等)に取り組み、差別や貧困、飢餓のない社会の実現に貢献します。
(3) すべての人の人権を守る社会づくりに向けて、多文化共生や多様性を尊重できるよう学びを深め、わかりあう心を広めます。
(4) 東日本大震災の風化防止活動や大規模自然災害に備えた減災・防災・被災地支援活動の取り組みを継続します。

【用語解説】

(*1)総事業高
供給高(組合員にお届けする全商品の総額)とその他事業収入(パルシステム手数料収入、共済受託収入等)を合計した総額。

(*2)経常剰余金
事業剰余金に事業外収支を加えたもの。

(*3)ステーションパル
組合員自身が曜日や時間を選び、配送センター等で商品を受け取るサービス。

(*4)サービス事業
葬祭事業、不用品整理、住宅事業等、パルシステム埼玉の斡旋(紹介)事業。

(*5)国際協同組合年
国連総会により2025年が2回目の「国際協同組合年」と定められた(前回は2012年)。協同組合の社会経済的影響力を認識し、持続可能な開発への貢献を促進するため、世界規模での協同組合の認知度向上と発展を目指している。

(*6)もっといい明日へ 超えてく
パルシステムが今まで取り組んできた「サステナブル=持続可能」なアクションについて、その価値をとらえ直し、もっと身近で、もっと世界に広がるように取り組むグループ統一運動。「自分らしく選ぼう、明日のために」「出会いに行こう、物語を見つけよう」「声にしていこう、世界を変えていこう」を行動テーマに展開。

(*7)コア・フード
食と農のあるべき姿を求めたパルシステムのトップブランド商品。農産物・畜産物・水産物・林産物・加工商品の5つの分類において商品基準を定めている。

(*8)エコ・チャレンジ
化学合成農薬、化学肥料を各都道府県で定められた慣行栽培基準の1/2以下に削減。加えてパルシステムの「削減目標農薬」の不使用を原則。青果は、除草剤、土壌くん蒸剤不使用。

(*9)埼玉産直協議会『農・彩・土』
産直産地の沃土会と南埼玉産直ネットワーク、パルシステム連合会、パルシステム埼玉で構成。県内の農業と環境を守ることを目的に農業体験や交流事業を中心に活動。

(*10)パルシステムでんき
パルシステム連合会の子会社(株)パルシステム電力が開始した電力小売事業。産直産地や地域と連携して調達されたFIT電気(再生可能エネルギー)を中心とした電力供給を行っている。

(*11)パルシステム給付型奨学金制度
学びの意欲を持ちながら家庭環境や経済的理由から進学が困難な若者に対して、組合員からの募金で包括的に支援する学費助成制度。

(*12)パルシステムのみんなの居場所づくり
パルシステムでは、組合員に対して安全で安心できる食品や日用品、サービスを提供する一方で、地域が抱えるさまざまな課題に寄り添い、誰もが孤立せずに自分らしくいきいきとくらせる社会づくりにも取り組んでいる。

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