2020年度助成団体 クルドを知る会(さいたま市)視察報告

 2020年度市民活動支援金助成団体への中間視察を行いました。

 

 今回うかがったのは、『クルドを知る会』(https://understandingkurdsjp.blogspot.com)
 支援対象となったプロジェクトは、「地域のコミュニティスペースづくり」です。
 「在日クルド人を主な対象として、多様な文化的背景を持つ人々の相談、交流の場を地域につくり、具体的な支援や地元住民との相互理解を促していく」ことを目的としています。
 現在継続的に行われている日本語教室と、活動拠点でありコミュニティスペースでもある事務所を見学させていただきました。

 

 

 日曜日の朝、蕨市の公共施設の一室に続々とやってくるクルド人の男性達。クルドを知る会のスタッフやボランティアの方たちと笑顔で言葉を交わし、席に着きます。クルドのお父さん対象の日本語教室が始まりました。日本語教室の会場は和室で、クルド人は日本人と同じく床に座る習慣があるため、和室を予約しているそうです。
 ひとりひとりのレベルに合わせて対応するため、ボランティアがマンツーマンで教えます。書き取りしたものを写真に撮らせてもらいました。

 

  会話のときは笑顔、日本語を書くときには真剣な表情で熱心に取り組んでいることが伝わってきました。

 

 お父さんと一緒に来た子ども達もボランティアと一緒に日本語を勉強したり、おもちゃで遊んだり楽しそうに過ごしていました。

 平日日中の日本語教室は複数ありますが、お父さん達が仕事休みの日曜日に来られる日本語教室は近隣にこちらだけだそうです。日本語を教えるだけでなく、日本の日常生活・日常会話・マナーなどについても説明し、日本での暮らしをサポートしています。

 届いたワクチンの接種券を持参して、ボランティアに説明してもらう姿も見られ、クルド人と社会をつなぐ架け橋になっていることを感じました。(注:残念ながらすべての在日クルド人に接種券が届いているわけではありません)

 

 お母さんと子ども達への支援についてもお聞きしました。お母さん達には、家庭訪問をして相談相手に。子ども達には、夏休み宿題相談会を開催したとのことでした。学校とクルド人保護者の連絡役もなさっているそうです。

 

 事務所にうかがいました。蕨駅から徒歩5分程度のマンションの一室。扉の横のボードには、マスクの着用をうながすクルド語とかわいいイラストが。中に入ると、異国情緒漂うリビングが目に入りました。オフィスとしての機能のほかに、コミュニティスペースとして活用しています。相談に来た人がくつろげるようにローソファにエキゾチックな柄のクッションが置かれていました。ランドセル、文具、衣類等寄付品もこちらで保管しています。

 

 

 

 日本語教室は、以前は事務所で行なっていましたが、コロナ禍で密にならないように、公共施設で行う形に変えたそうです。

 見学させていただき、お話をお聞きして、『クルドを知る会』がコロナ禍でもできる形で、在日クルド人の方々に寄り添う活動をしていることがわかりました。

 パルシステム埼玉では、これからの活動も見守り、支援していきます。

 

 

★クルドを知る会は、在日クルド人の方々や日本クルド文化協会と共に、日本のなかで多種多様な文化を背景に持つ人々が、ともに安心して暮らせるようになることを目的にしています。

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