「三橋先生の東アジア近現代史講座」を開催

 10月3日(月)、ぱる★てらすで「三橋先生の東アジア近現代史講座」を開催しました。講師は長年にわたり東アジアの歴史教育に携わる三橋広夫先生です。

 

 

 先生は、「沖縄本土復帰50年の意味を考える-琉球処分143年の歴史からー」と題したご自分で作成されたテキストを基に、ホワイトボードに「琉球処分」(1879年)からサンフランシスコ条約締結(1952年)による米軍統治へ、72年の本土復帰を経て2013年に政府が4月28日を「日本の主権回復の日」制定。そして現在に至るまでを、時間軸を横にとって説明をされました。沖縄は、琉球という独立国家⇒日本への編入⇒連合国との戦争⇒敗戦と米軍の統治下へ⇒本土復帰(1972年)という歴史が、視覚的に理解しやすかったです。また戦争による犠牲も本土以上に多大だったこと、戦後も過酷な米軍支配が長きにわたった事実が分かりました。それにもかかわらず本土の政府は、米軍下に沖縄がとり残されていた事実を無視し、日本と切り離された4月28日を「日本の主権回復の日」として政府式典を挙行しました。このすれ違いは何と大きいことでしょう。

 

 

 復帰50年を経た今では、パスポートが無いと行き来できなかった時代ははるかかなたのようですが、沖縄の人たちの記憶と現実の生活には、まだその痕跡ははっきり残ってるのが分かりました。それは、戦後造られ復帰以降も本土からも移設されて拡大した米軍基地の存在です。戦争では、県民の4人に一人が亡くなりました。それ故多くの県民が平和と非武装を希求し、軍用地の強制接収や買い上げや実弾射撃演習等には非暴力で闘い、「島ぐるみ闘争」と呼ばれました。その精神は現在にも「オール沖縄」という運動にも引き継がれています。

 また先生は政治的な面だけでなく、沖縄の言葉の豊かさと本土との学力格差などと言葉の問題や近現代の中で沖縄に生きた女性や台湾移民のことにも触れました。

 多くの切り口や事実がちりばめられたお話でした。先生によると、「男だけでなく女が活躍している」その点から歴史を見ていきたいとのことでした。

 非常に濃密で、考えさせられる講義でした。

 参加された方からは、「断片的なことが、繋がってきた」「もっと学びたい」など積極的なご意見が数多く届いていました。次の機会を楽しみにしたいと思います。

 

 

 今回の企画では、NGOハンガーフリーワールドさんへの支援のため使用済み切手等のご寄付をお願いしました。ご協力ありがとうございました。

 

【次回開催予定】11月7日(月) ぱる★てらすにて「プチボランティア体験してみよう」 

 

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