「DV被害 支援者養成基礎講座【1日目】」を開催

  

 DVは「自分とは関係がない」と思っていませんか。日本もアメリカと同じ水準で、女性の3人に1人が、人生のある時期に夫や恋人から、身体的または性虐待を受けたと報告がされています。
被害者の方の多くが「自分が悪い」と思い込まされていたり、被害者本人がDVと思っていないケースもあります。でも、完璧な女性なんていないのです、そのために暴力を振るわれることは許されません。
シェルターにいた子どもが最近の虐待のニュースを見て、「家の中のことだから誰もわかってくれないよね、見えないから」と話したそうです。実際にはもっと多くの被害が隠れていると思われます。

 8月8日(木)ぱる★てらすで、特定非営利活動法人パープルネットさいたま(※1)主催の「支援者養成基礎講座~DV被害をうけた女性と子どもに寄り添う~」の第1回目を開催し、11名が参加しました。今回の支援者養成基礎講座は、COOP共済「地域ささえあい助成」の協賛を受け、パルシステム埼玉と協同で実施しています。 
 NPO法人女性ネットSaya-Saya(※2)から講師をお招きし、オリエンテーション、「抑圧理論」、「性暴力」、「DV」について学びました。

 講義ではまず最初に「抑圧」について学びます。「抑圧」とは、あるグループの人々が、別のグループの人々を組織的に虐待することです。さまざまなグループのメンバー意識を基にした、人間への組織的かつ世の中に広まっている不当な扱いをさします。
人種差別、年齢差別、性差別、身障者差別等など、私たちは抑圧的な社会に生きています。


NPO法人女性ネットSaya-Sayaのお二人

米国オレゴン州「NPOラファエルハウス・
DV被害者支援マニュアル」を翻訳した
テキストを使用します

 
 講義の途中で、地球から脱出するために宇宙船に乗せる人々のリストの中からグループで話し合い、4名を落選させるワークショップをしました。リストには10名以上の架空の人々の、性別や年齢、職業などが載っています。話し合いをする中で、「高齢だから落選させる」という意見や、「高齢だから知恵があってみんなをまとめてくれるかも」という意見もあり、意識していなかった自分の「偏見」に気が付きます。
  講師の方の、「私たちが日常的に使っている言葉の中でも、差別や偏見につながる言葉がまだ残っており、言葉の使い方を変えていかないと、制度を変えても実際の環境はなかなか変わっていかない」とのお話が印象に残りました。相談に来る方が「うちの主人が・・」と話しても、支援者は「ご主人」という言葉は使いません。「家内」「嫁」など普段使用している言葉も、偏見につながっています。
 最近の子どもの虐待事件にも触れ、子どもだけでなく母親も被害者であり、夫にマインドコントロールされている状態では、子どもを助けることはできないとの話を聞き、報道により多くの人々が誤解をしていると改めて感じました。洗脳されてしまった状態では、自分の気持ちはなくなり、「彼がどう思うか」しか考えられなくなってしまうのです。
今回のような講座を受講し、DVが起きる仕組みや実態を多くの人に知ってほしいと思いました。

(※1)パープルネットさいたまは、埼玉県が養成したびーらぶインストラクター(DV被害を受けた女性と子どもが同時並行で学べる心理教育プログラム)の団体で、暴力に悩む女性と子どもをサポートする活動を行なっています。 
    詳しくはこちらをご覧ください。

(※2)NPO法人女性ネットSaya-Sayaについてはこちらをご覧ください。

     今後の「支援者養成基礎講座」の詳細はこちらから

 パープルネットさいたま主催で「支援者カフェ」を毎月第3水曜にぱる★てらすで開催しています。お茶を飲みながら、気軽にDVについて考える場としています。
子育て、高齢者などさまざまな支援をしている方どなたでも参加できます。ぜひお気軽にお立ち寄りください。
    「支援者カフェ」のご案内はこちらから

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