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2019年7月8日 「原発事故がもたらした”日本の貧困問題”」を開催
 6月26日(水)ぱる★てらすで、「避難の協同センター」事務局長の瀬戸大作様に、原発事故後による避難がもたらした貧困問題についてご講演いただきました。
 


原発事故避難者を追い詰める期限を決めた自立の強制―住宅セーフティネットの側面からー
 事故から8年が経過し、避難先での生活基盤が整いつつあるため、福島への帰還を望まない避難者が多くいます。そのような状況の中、2017年3月末をもって自主避難者の住宅支援が終了されました。避難者の中には、避難をきっかけに離婚に発展した母子家庭も少なくありません。母子家庭の貧困率は高く、ワーキンブプアの状態に陥りやすい状況で、住宅支援を打ち切られ、心身共に不調になり、自殺にまで追い込まれたケースも紹介されました。

 帰還先の自治体では、教育・医療など、あらゆることが無償で行われる用意があり、やはり、帰還への強い圧力を感じます。住宅支援の打ち切りで、貧困に陥るような社会的弱者が帰還せざるを得ない状況に追い込まれる構図が見えてくる中、自治体主導で、住宅支援の打ち切り以降の支援が埼玉県などで行われています。しかし、2019年3月までの2年間であること、公営住宅などの立地が悪く、募集戸数の半数程度しか入居がないなど課題も多くあります。
 
  原発事故避難者の貧困を見ていくと、避難者に関わらず、貧困対策としての住宅支援政策の脆弱性がみえてきます。特に、公営住宅はファミリー向けのため、単身の避難者、貧困層の施策はほとんどなされていません。空き家を自治体が借り上げる等、「社会的住宅」という考えをもとに、住居支援政策の重要性が繰り返し説明されました。
 
 生活困窮者の支援策としては生活保護があります。しかし日本の生活保護の捕捉率はたった2割と世界でも大変低く、運用にも地域差があり、捕捉率を上げようという方向性が希薄なのは問題です。生活保護の手前に「生活困窮者支援制度」があり、相談窓口は状況に応じて細かく用意されていますが、住宅確保給付金以外の経済的給付がないため、話を聞くだけの制度になっています。生活保護を受けるにも時間がかかるので、それまでの生活を支える給付が必要だと感じました。生活保護受給者に対して厳しい視線が向けられるこの頃、自治体の借り上げの住宅支援であれば風当たりも少なく、実現しやすいのではないでしょうか。
 
  原発事故から8年が経ちましたが、自殺者が出ている実態を初めて知りました。講演では政策内容というよりは、個々の具体的事例が多く語られ、助けを求める一人一人と向き合っていらした瀬戸様ならではの生々しいお話に多くの参加者が心を動かされたのではないかと思います。
 
 
 「根本的なことが変わらなければ、この問題は解決しません。」というお話が印象に残りました。 生活保護法は、憲法25条の生存権に基づいて制定されているはずなのに実際は利用しにくく、本当に必要な方が申請できないケースがあると聞いたことがあります。「大変な時は助けを求めていいんだ。」と思えるように制度を整えること、それを広報して知ってもらうことが課題であること、また非正規で働いている方の賃金を始め労働条件を向上させることが重要ですが、現在の状況では非正規雇用の方の多くが、困窮してしまうなど、厳しい現実を改めて感じました。 以前新聞に「立場の弱い方が住みやすい社会は、皆にとって住みやすい社会です」というお話が載っていましたが、まさにそのとおりだし政治はそのように行うべきと思いました。
 そして「生活保護を受けながら、パチンコに行ったりするという話を聞くことがあるが、それはどうなのでしょう」という見方も、困窮されている方にとって辛いと思います。瀬戸様のお話は、大勢の方を実際に支援されている立場からのご意見なので、説得力がありました。「自己責任」という一言で冷たく片付けず「どうしたら大変な方達の生活を良くして、保護費を受けなくて済むようになるか」と考えられる人を増やして、社会の空気を変えることも大切だと感じました。それには状況を正しく知ることが必要なので、瀬戸様の活動は非常に重要と思いました。  

 今回当選ハガキで呼びかけたフードドライブに、多くの食品が寄せられました。ご協力ありがとうございました。




  次回開催予定:7月24日(水)会場:ぱる★てらす
         「平和に暮らすとは? 幸せについて考えよう」