テーマ活動

ピース・インターテーマグループ

2018年12月11日 憲法カフェ「水から考える生存権」を開催
 11月23日(金)ぱる★てらすで、憲法カフェ「水から考える生存権」を開催しました。  突然今年になって新聞やテレビで「公営水道が民営化されるかもしれない。」と聞いて驚いた方は結構おられると思います。今回は再公営化したイギリスの水道事業を取材された新宿区区議で弁護士の三雲先生に私たちの多くが全く知らずにきた日本の水道事業民営化についてお話しいただきました。以下要約です。


 水道事業は水道法に基づき国または地方公共団体が行っていますがこれは憲法25条生存権の「公衆衛生の向上に努める」に基づくものです。しかし7月この水道法の改正が行われ、水道事業も「民間事業者が公共施設等の運営権を取得し、公共施設等の維持管理・運営等の事業を長期的・包括的に行うことができる」(公共施設等運営権制度以下PFIと表記)ようになりました。これは政府による「民間投資を呼び起こす成長戦略として、平成25年度からの10年間で12兆円のPFI事業規模を達成(後に21兆円に増加)」というPFI政策推進施策の一つで官民連携の推進をうたっていますが、実際はPFIを自治体に押し付けるものです。事実27年12月には自治体へ「①10億円以上の建設を伴う事業②単年度事業費が1億円以上の運営・維持管理事業は「自ら事業を行う従来型の手法の検討よりも、PFI手法の導入が適切か否かの検討を優先して行うべきである。『簡易な検討を』を自治体自身で行い、PFIの方がトータルコストが安い場合には、外部コンサルタントを起用しなければならない。導入しない場合には、その旨及び評価の内容をインターネットで公表する。」といった指針を出しています。これでは自治体の自主的・自律的判断がゆがめられてしまいますし出来なくなってしまいます。
 では水道事業の現状はどうでしょうか。厚労省によると人口減少に伴う水需要の減少、水道施設の老朽化、職員数の減少、赤字化など改革の必要性があります。そこで厚労省が30年検討してきたことは①国、都道府県及び市町村による水道の基盤強化(広域連携)への努力義務。②水道事業者による水道施設の適切な管理でした。しかし今年7月の政府の改正法で③官民連携の推進(PFI)の導入が出てきました。つまり厚労省と違い「民間にやらせたら」。というのですが、今、なぜこれが出てくるのか、が問題です。(①の広域連携というのは日本の水道は、水道法により、市町村による経営が原則であるが小規模な市町村ほど人口減、施設老朽化、職員数減の問題が深刻、そこで複数の市町村が一緒になって水道事業に取り組み(広域連携)、水道事業の基盤強化や適切な管理を図る。ということです。)
 東京都、浜松市の下水道ではすでにPFIの検討が始まっています。宮城県でも始まっています。ではPFIが25年前に導入された先進地域、ヨーロッパ・アメリカは今どうなっているかと言うと、公共サービスの再公営化が世界の潮流です。様々な問題が起こり、議会が政府等に活用停止を迫ったのです。株主配当、役員報酬、親会社への収益還元に金がまわり、水質や、サービスに投資されなくなって結局単価を上げ使用者負担になったりしたのです。ではなぜ、25年遅れのことを日本がやろうとしているのか。問題です。

 最後に地域で出来ることをお話ししておきます。まず水道事業は・公共事業であった方が良いのか、そうでなくてもよいのか・公共サービスであればその負担の在り方、増加する費用を皆で負担するのか、ダウンサイズするのかを民主的に議論する。さらに自分の自治体ではPFIを導入しているのか、を聞いてみる。そして地域の議員、行政と議論する。市民一人一人が自分の問題として取り組んでいくことがますます必要となります。