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2019年9月5日 DV被害「支援者養成基礎講座」【4日目】を開催
 9月2日(月)ぱる★てらすで、特定非営利活動法人パープルネットさいたま(※1)主催の「支援者養成基礎講座~DV被害をうけた女性と子どもに寄り添う~」の最終日となる第4回目を開催し、16名が参加しました。
 前半は「加害者」、「多文化社会におけるDV」についてNPO法人女性ネットSaya-Saya(※2)の講師に教えていただきました。後半はこれまでの講座の振り返りとして、自己確認テストを行い、修了式となりました。


講師おすすめの本

 「多文化社会におけるDV」では、異文化間のコミュニケーションと文化のもつ力について学びました。異なる文化的背景をもつ方の支援の難しさを考えさせられました。
 講座の初めにグループトークで異文化間のコミュニケーションで困った事例について話し合う場面では、知らないうちに自分に刷り込まれている、外国の方への「偏見」「思い込み」について気が付きました。
 「まるで水の中の魚のように、自分が濡れているということがわからない」という言い回しがあるそうです。私たちの文化がどのように私たちの行動やものの見方を形づくっているのか、誰であっても完全に認識することは困難という意味です。本当の意味での「異文化コミュニケーション」は異文化を理解することから始めなければならず、とても難しいものだと改めて感じました。

 またコミュニケーション方法には、言語と非言語によるものがありますが、国によって言語だけでなく、ジェスチャーや表情、身体の動き、声の抑揚など非言語のコミュニケーション方法も異なります。非言語コミュニケーションは話し手の中に自然に表れるものであり、意識的に考えるより速く聞き手によって解釈されるものです。
 アメリカの心理学者アルバート・メラビアンによると、言語が相手に与える影響はたったの7%で、非言語が多くを占めることがわかります。
 日本に在住する外国籍の方のDVを支援する際には、通訳をつけて母国語で話してもらうようにすることで、言葉に抑揚がうまれ本人の感情の細かい変化などもわかるようになるという話が印象に残りました。

 また講座の最後に、被害者の立場になり、被害者の気持ち理解することを目的とした、朗読劇を行いました。参加者が「子ども(被害者)」「母親(被害者)」「父親(加害者)」「ナレーター」「警察」「行政」「シェルターの職員」等々の役になります。今回は被害者である子どもの視点で作られた朗読で、子どもの感情の変化や微妙な気持ちがとても伝わるものでした。父親が母親へ暴力を振るうのを自分のせいだと思ってしまう一方で、「お母さんも、もうちょっとしっかりしてくれればいいのに」「お母さんがまたお父さんを怒らせた」という母に対する苛立ち、学校でトラブルが続いたことでのストレスから、父親と同じ口調で思わず母親に「こんなまずいものが食えるか!」と言ってしまった気持ち。そして初めてシェルターに保護されたときの、安心よりも「不安」な気持ち。揺れ動く子どもの気持ちがとても辛く、切なく感じました。最後はパープルネットさいたまが主催する「びーらぶ講座」に親子で参加し、同じような経験をした方々と交流できるようになり劇は終了します。


参加者による朗読劇


 今回は最終日ということで、修了式を最後に行いました。参加された皆さんの一言から、講座そして支援に対する意欲や思いがとても伝わりました。今後も養成講座への参加者が増え、支援の輪が広がっていくことを心より願います。


 今回の養成講座の主催であるパープルネットさいたまは、埼玉県が心理教育プログラム「びーらぶ」を実施するために養成したインストラクターのネットワーク任意団体としてたちあげた団体です。DVにより心に傷を負った女性や子どもたちに対し、非暴力に特化した、自分自身の力を取り戻す「心理教育プログラム」を用いた心のケアの活動や、避難後に孤立したり、様々な困難を抱えた女性に対し、自立支援のための活動を行なっています。


◆毎週土曜16時~19時には、DV被害による心身への影響に悩む女性と子どもたちのための「心のケア電話相談」を行なっています。


◆毎月第3水曜にぱる★てらすで、お茶を飲みながら、気軽にDVについて考える場「支援者カフェ」を開催しています。子育てサロンや、認知症カフェ、介護者サロンなど開催している方、「もしかしたら?」と思ったことや、相談を受けたけれどどうしたらよいかわからないなど、悩んだ経験はありませんか。様々な支援をしている方どなたでも参加できます。ぜひお気軽にお立ち寄りください。
 支援者養成基礎講座と支援者カフェは、COOP共済「地域ささえあい助成」の協賛を受け、パルシステム埼玉と協同で実施しています。

「支援者カフェ」のご案内はこちらから


(※1)パープルネットさいたまは、埼玉県が養成したびーらぶインストラクター(DV被害を受けた女性と子どもが同時並行で学べる心理教育プログラム)の団体で、暴力に悩む女性と子どもをサポートする活動を行なっています。
    詳しくはこちらをご覧ください。
(※2)NPO法人女性ネットSaya-Sayaについてはこちらをご覧ください。