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とちのみ会 公開確認会を開催 2016年11月3日
2016年10月27日(木)、パルシステム埼玉は栃木県大田原市で、いちごの産地「とちのみ会」の公開確認会行ないました。
監査人、一般参加の組合員、生産者、会員生協の役職員など64名が参加し、圃場の視察や生産者から産地プレゼンテーション、帳票類の確認など、とちのみ会の
取り組みについて理解を深めました。


【公開確認会とは?】
 「自分の口に入るものはまず自分の目で確かめよう」との組合員の声で1999年に始まった公開確認会は、消費者である組合員が産地を訪れ、農産物の生産方法や安全性への取り組みを確認するパルシステム独自のしくみです。
 公開確認会を通して、生産者と消費者は深く理解し合い、課題を共有し、更なる安全性への向上を目指すきっかけとなっています。

【とちのみ会】
 「とちのみ会」のある栃木県は、冬の日照時間が全国一長い気象条件を利用して、古くからいちごの生産が盛んな地域です。会員は6名からなり、栃木県北南部で
それぞれ自然豊かな環境で、農薬を極力少なくして有機質な肥料を使い、安全でおいしいいちごを栽培しています。
 パルシステムとは長くお付き合いのある産地ですが、今回初めての公開確認会の開催となります。
 公開確認会の前に、参加者は2グループに分かれ、圃場・作業場・選果場の視察を行ないました。回りながら農薬の管理方法、病害虫の予防・防除方法やハウス栽培をする上での注意点など伺い、参加者と質問を交えながら視察しました。
【公開確認会】
 パルシステム埼玉 田原けい子理事長より、とちのみ会や(株)ジーピーエス・連合会に開催に至るまでの感謝の言葉を述べ、「本日はとちのみ会での公開確認会が開催でき、とてもうれしく思います。本日の会を次のステップアップにつながる公開確認会にしましょう」と開会挨拶がありました。
 続いて、とちのみ会 上野延久代表の挨拶では生産者が心に秘めていることをお話いただき「おいしいいちごを作るには大地にしっかり根を張らせることが必要です。私たちはここ数年の酷暑、ゲリラ豪雨、大雪と自然に合わせてうまく作らせてもらい、『やる気・勇気・根気と観察力』で良いいちごを栽培しています。今日の会を実りあるものにしたいです」とありました。また、栃木県那須農業振興事務所の佐藤良徳様より挨拶いただきました。

とちのみ会 上野延久代表
【産地プレゼンテーション】
生産者の石橋幸洋さんより、おいしいいちごをお届けする為の、とちのみ会概要・取り組み報告をしました。
1)農薬管理
各農薬の使用基準を守りながら適性に使用し、散布時期は判断に迷う場合は指導員にアドバイスをいただきながら決定しています。
また、天敵・フェロモントラップを組み合わせ、農薬散布は可能な限り抑えています。
2)病害虫予防・防除
圃場はよく観察し、病害虫や病気の早期発見を行い、ハウス内の風通しをよくしながら除草もしています。
どれだけ予防しても出てしまうのがヨトウムシ(夜盗虫)。葉っぱや果実に食害が出てしまいます。対策としてフェロモントラップと呼ばれる罠でオスを捕まえ、メスにたまごを産ませないようにしています。
ハダニ類は捕食性天敵であるチリカブリダニをまき、農薬の回数を抑えています。
他に、ヒヨドリやハクビシンなど動物による被害が発生しており、ヒヨドリは全員で手を叩いて音を鳴らして追い払うなどしています。
3)ハウス栽培
土壌消毒の取り組みとして、「太陽熱消毒」「土壌還元消毒」を行なっています。畝にはチューブを引き、低濃度のエタノールを出して土壌を消毒するなど、害虫や細菌、病原菌を殺菌・抑制しています。
『ウォーターカーテン』について。この仕組みでは、ハウスの中にハウスを作り、内張りのカーテンの上に地下水を散水し、中の温度を保っています(地下水の年間を通して変わらない温度を利用)。
ですが、寒い日には保湿効果が薄れたり、地下水に含まれる鉄分の影響で、ビニールが錆びた赤茶色に変色し、遮光してしまうことがあるなど、導入時の注意点もお話しました。
4)品質管理、出荷まで
いちごの栽培スケジュールの話、親株からの株分け、育苗管理の仕方まで細かく説明がありました。収穫いちごをパック詰め前に、生産者カードが入っているか鏡を利用して、一つ一つ確認しています。
パック内には緩衝材を入れ、年々工夫を重ね、現在はパック内に5面のスポンジで覆って、いちごの傷みを防ぐ努力をしています。
5)今後の課題
最後に今後の課題として、必要書類の不足の改善や、労働人数の確保、出荷時のチェックシートの作成などあげられました。
また、更なる品詞管理の徹底、品質向上を目指し、会員間の情報共有、連携強化を目指しますと、石橋さんから熱い意気込みをいただきました。

公開確認会の様子

若手生産者のプレゼンテーション
【監査人所見】
・参加者の質疑応答のあと、監査人より
「圃場見学や資料で農薬を減らす努力をされていることを感じた」
「パック詰めの緩衝材はとちのみ会ならではの取り組みで、おいしさの頂点でいただけるための工夫を感じた」
「ファーマーズネットの有効活用がされ、栽培記録が確認できました。書類の中に石橋さんの毎日記入した5年分の記録があり、とても感動しました」
と所見報告がありました。
・生消協生産者幹事 鳥居啓宣さんより
「今回とちのみ会の圃場を見せていただいて良かったです。とても土に力を入れている産地だと感じました。帳票類の管理は難しいのですが、生産者の居住地が
離れているのによくまとめられていたと思います。とちのみ会は生消協にも加入されているのでぜひ、東京の方にもお越しいただきたいです」
・監査まとめをパルシステム連合会産直部の島田朝彰さんより
「生協と生産者の公開確認会は、今後の課題・展望も含めて、二者がともに理解しあい、課題を共有し、次につなげられる形にしたいです。公開確認会は、買う側のパルシステムが産地を評価するためだけ仕組みではなく、パルシステムも産地から取引して大丈夫かと評価されていると思っていますので、今後もパルシステムと取引したいと言っていただけるように、努力したいと思います。また、今日の公開確認会まで対応いただいた、とちのみ会の生産者の皆さんに感謝を申し上げます」と監査所見のまとめをお話しました。

監査人 所見報告

パルシステム連合会 島田朝彰さん
【産地受け止め】
監査人の所見報告を受け、とちのみ会 事務局 石橋洋二さんより
「今回事務局をやっており、書類が足りないということは感じました。農薬管理、在庫表など管理をしっかり行い、消費者の方々にきちんと証明できるようにする必要性を感じております。日々の努力を重ね、“私たちは正しくやっている”と皆さんにアピールできるようなものをこれからも続けたいです」

最後にパルシステム埼玉 横山博志専務理事より、現在のいちごを取り巻く状況をお話し、「公開確認会はたくさんの組合員がいないと始まらないと思います。今後も組合員活動企画も含め、末永くお願いしたいと思います」と閉会の挨拶がありました。

とちのみ会 事務局 石橋洋二さん