産直講座 コウノトリ育むお米「JAたじま」編

  

 パルシステム埼玉は、9月24日(火)ぱる★てらすでパルシステム生産者・消費者協議会のもと、産直連続講座「JAたじま」編を開催しました。
 兵庫県豊岡市の米産地JAたじまから住吉良太さんをお迎えし、コウノトリと共生する地域の取り組みと『コウノトリ育むお米』についてお話をうかがいました。

 産地である豊岡市は勾配の極端に少ない盆地で、関西では一番の猛暑地と言われています。そのため湿地の環境ではありますが、田んぼや河川にはコウノトリのエサが豊富でした。豊岡市ではコウノトリは「幸福の鳥」として大切にしており、また土地の環境から、日本の野生のコウノトリの最後の生息地でした。
 しかし、日本の経済発展により環境が一変。豊岡市でも農業は生産性を重視して機械化され、高い木の上に巣を作る習性のあるコウノトリの巣がある木を伐採、さらに農薬の散布によってエサとなる生き物が消えました。コウノトリは人口飼育が行われましたが、ついに1971年に日本の野生のコウノトリは絶滅しました。
 JAたじまはコウノトリのエサとなる多様な生き物を育み、自然にも人にも優しいお米作りを始め、再びコウノトリと人が共生するくらしを目指しました。コウノトリが安心して巣作り、子育てができる環境を作るため、人口巣塔を設置。さらに、田んぼに水がない時期にも水を張ってエサ場を作り、お米や野菜の生産者はできる限り農薬や化学肥料を使わない取り組みが広がりました。その中で生産されたお米が、『コウノトリ育むお米』です。

 豊岡市のコウノトリの取り組みや『コウノトリ育むお米』は、市内だけでなく国際的にも理解と協力が広がり、評価されています。パルシステムでは、「コア・フード」米の産地の一つとして、組合員さんの食卓に届いています。
 1985年に豊岡市はロシアからコウノトリの雛が贈られ、その後飼育下繁殖に成功。絶滅してから約40年後の現在の豊岡市では、100羽を超えるコウノトリが野生復帰を果たし、大空を羽ばたいています。

 今回は『コウノトリ育むお米』の白米、玄米を用意していただきました。もちもちとした食感と甘さの白米、栄養価が高く玄米特有の香りが少ない玄米、どちらの良さも味わえ、参加者は大満足の様子でした。

 質疑応答で、参加者のお子さんが「豊岡市のように、埼玉県の熊谷もとても暑いです。熊谷にも、コウノトリは来ますか?」と質問しました。「コウノトリは渡り鳥なので、もしかしたら豊岡市のコウノトリが熊谷市の空へ飛んでいくかもしれませんね」と住吉さんは答えました。
 かつては日本全国で生息していたコウノトリ。全国各地の空を羽ばたく姿を再び見られるよう、『コウノトリ育むお米』を通じて私たちも応援しましょう。

●商品企画予定
『コア・フード兵庫こしひかり』(コウノトリ育むお米)無洗米 2kg
コトコト・きなり 12月2回
価格:1,400円(税抜)

『コア・フード兵庫こしひかり』(コウノトリ育むお米)玄米 3kg
コトコト・きなり 10月4回、11月3回
価格:1,960(税抜)

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