地域貢献活動

市民活動支援金

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2017年10月12日 2016年度助成団体 視察報告「青少年多文化学びサポート」(所沢市)
 青少年多文化学びサポート(ESMY)は、退職教員や地域の日本語ボランティア経験者等の支援者が集まり、 小中学校の学齢期の子どもたちを対象に、日本語の日常会話から教科学習に至るまでの効果の高い支援活動を目指し、2012年に設立されました。所沢市内の各施設で、毎週定期的に日本語・教科学習支援教室を開催しています。  
 10月7日は、毎週土曜に新所沢公民館で開催されている教室を見学しました。  
     

公民館入り口のさまざまな言語で書かれた日本語教室のチラシ
 
     新所沢公民館では複数の団体が日本語教室を開催しています

 教室には、小学生から大人までたくさんの方が参加されていました。参加者は大人1回100円、子どもは無料です。 基本的に参加者1名(または家族1組)につきボランティア1名の個別支援のため、参加者の学習状況に応じて細かく支援することができます。小学生は、学校の宿題を持ってきてボランティアに教えてもらっていました。  
 今回小学4年生の児童2名と話しました。1人は来日して2年目の女の子。とても流暢に日本語を話します。ただ国語の教科書の中で、日本の「桃太郎」などの昔話を使った問題などは、元々の話を知らないから難しいと感じると話していました。 もう1人は、日本に来たばかりの男の子。「名前を教えてください。」など、簡単なコミュニケーションをとることも難しい状況でした。身振り手振りでなんとか対話をします。途中で飽きてしまったり、諦めてしまいそうな様子でしたが、ボランティアも根気強くかつ温かく見守ります。先程の女子生徒が男の子を元気づけようと母国語で話しかけると、それまでと打って変わりとてもうれしそうな笑顔を見せてくれました。この教室は、自由に母国語も話せるし、同じ国の出身の子もいる。子どもにとって安心感のある「居場所」としても、とても重要な役割を果たしていると感じました。


教室入り口
      


教室の前半分は小中学生向け
 
 教室の後ろは大人向け

 午後からの情報交換会では、依頼を受けて市内の小学校に支援に入ったボランティアの報告をうかがいました。 「担当の子どもは、ベトナムから日本に来たばかりで、日本語が全くできない、ひき算などの教科学習も教えている。クラスメートとは別の部屋になるため、どうしても気が散ってしまうこともある。最初は距離感があったが、ベトナム語で少し話をしたら子どもがとても喜んでくれ、親しくなれた」支援に入ったボランティアは、仕事で昔ベトナムに住んでいたことがあったそうです。 日本に来て不安に感じている子どもにとって、母国のことを知っているボランティアが支援に入ることはとても心強く感じることと思います。
 
 代表の持丸さんは、中学生にもなると心のケアも必要になると感じると話します。例えば母国では勉強ができていたのに、日本語がわからないだけで、小学校低学年の教科書を使用して勉強することに抵抗を感じてしまう子も見られるそう。 今後の課題として、発達障害の子と、ただ日本語ができないだけの子との違いをどう見分けるかなどが挙げられました。ボランティアにはそういった子どもの心の中の葛藤とどう向き合うかや、保護者と関係性などたくさんのことが求められていると感じました。  
 
 今回の視察で、子どもとボランティアとの信頼関係がとても重要であり、信頼関係ができているからこそ、子ども達が自主的にまた継続的に教室に通えていると感じました。学校と違いこの教室は、自分のことを親身にみてくれるボランティアがおり、母国語を自由に話して同じ境遇の子どもと一緒に学べる安心感があります。学校と家庭以外の居場所として、子どもにとっても保護者にとっても大切な場所になっていました。